新規オープンオーナー必読、整骨院・接骨院の店舗デザインについて
整骨院・接骨院の店舗デザイン・インテリアデザインの重要性について解説する記事です。デザインの良し悪しは集客に大きく関係するので、患者さんのニーズを内装工事業者と考えながらインテリアに落とし込んでいきましょう。
整骨院・接骨院においては、インテリアのデザインが集客を大きく左右します。
「いやいや、技術でしょ」
もちろん、施術の技術なしで整骨院・接骨院に患者さんを集めることはできません。技術や知識が備わっていることは前提として、ほかに重要な要素としてまず挙げられるのが店舗デザインだということです。
整骨院・接骨院のインテリアデザインと集客
整骨院・接骨院と聞くと、何か昔ながらのシンプルな店構えを思い浮かべる患者さんが多いようですが、今はとてもおしゃれな整骨院・接骨院があることをご存じでしょうか?もしかしたら、これから整骨院・接骨院をオープンしようとしている方の中にも、簡素な店構えでいいと考えている方がいらっしゃるかもしれませんが、もしそうお考えならそれは間違いです。きれいで新しい外観の整骨院と古くさい整骨院、よほどの評判でもない限り、きれいで新しい外観の整骨院に患者さんは集まります。
新しく開店させる整骨院・接骨院ならなおさらです。まだ評判にもなっていない状況では、患者さんにとにかく院の中に入ってもらうしかありません。入ってもらわなければ、施術することすらできませんし、口コミによる評判の広がりも期待できません。
インテリアデザインは、この「とにかく院の中に入ってもらう」ための方策です。患者さんをしっかり意識したインテリアデザインにすることで、これを実現できます。
整骨院・接骨院のインテリアデザインを考える前に
しなければ、思い描いたような整骨院・接骨院を作ることはできません。適当に伝えただけだと、ありきたりのデザインにされてしまいますから、ライバルとの違いをはっきりさせることは難しいでしょう。
構造設備基準をクリアしているかチェック
整骨院・接骨院を始める際は、候補となる物件が構造設備基準をクリアしているかどうかチェックする必要があります。この構造設備基準の要件をクリアしていないと、その物件では整骨院・接骨院を開くことができません。
整骨院・接骨院を始める物件は、以下を満たしていなくてはなりません。
・施術室の面積:6.6㎡以上
・待合室の面積:3.3㎡以上
・換気装置(施術室)
・流し場(施術室・努力義務)
・施術室と待合室は壁により隔てられている
など
これらの要件は、保健所により異なります。また、変更されることもあるので、地域の保健所の要件を事前に確認しておくことが大切です。
物件のレイアウトをチェック
物件が構造設備基準をクリアしていたとしても、それだけで物件の良し悪しを判断することは当然、不可能です。ご自身がイメージするような整骨院・接骨院がこの物件で作れるのかどうか、しっかり確認しなければなりません。
物件の広さだけでは、思い描いているレイアウトを実現できるかどうかはわかりません。整骨院・接骨院には施術室、待合室のほか、受付の場所も確保する必要があります。トイレも必要ですし、ビルやマンションの場合は、患者さんがアクセスしやすいようにエレベーターが備えられているかどうかも確認しなければなりません。
整骨院・接骨院をデザインする際のポイント
整骨院・接骨院をデザインする際のポイントになるのは「コンセプト」と「イメージ」です。
整骨院・接骨院のデザインコンセプト
どんな整骨院・接骨院にしたいのか?自分なりに描いている院の形、存在意義などをまとめたものがコンセプトです。
「高齢者を中心とした患者さんの痛みを取り除くアットホームな接骨院」
「肩こりに悩むオフィスワーカーのための整骨院」
「スポーツ選手の体をメンテナンスする整骨院」
など、コンセプトは無数です。ご自身が思い描いている整骨院・接骨院とはどんなものなのかを、はっきりと決めることはなかなか難しいのですが、以下のようなプロセスで考えてみると、自分なりのコンセプトが見えてくるはずです。
1. アイデアを探す
テレビやインターネットなどの情報を参考にしながら、患者さんの立場になってみて、どんなサービスがあったらうれしいか考えてみます。アイデアはひとつだけではなく、たくさん見つけることがポイントです。
2. どんなエリア・患者さんがいるのかイメージしてみる
整骨院・接骨院を始めるエリアや対象となる患者さんについて考えてみます。この段階ではひとつにしぼるのではなく、いくつかの候補があっていいでしょう。
3. 基本となるコンセプトを決める
1と2の要素から基本となるコンセプトを考えてみます。
4. 基本となるコンセプトでは、どんなサービスを提供することが可能か、サービスの詳細な部分まで考えてみます。実現が不可能なようなら、また最初からやり直します。
コンセプトがなければ、インテリアをイメージすることもできません。コンセプトとイメージは異なります。コンセプトを形として表現したものがインテリアですが、イメージはその中間、自分の頭の中に描かれている理想です。
イメージを内装工事業者に伝える
新しく始める整骨院・接骨院のコンセプトが決まり、そのインテリアのイメージがはっきり見えてきたら、内装工事業者にそのイメージを伝えましょう。
内装工事業者は、そのイメージを聞き取り、物件をチェックしたうえでインテリアのデザインを提案してくれます。平面図で提案する業者もあるかもしれませんが、完成した状態を想像しやすい模型、もしくは3Dパースを制作可能な業者を選びましょう。
整骨院・接骨院のインテリア工事が始まったら
内装工事業者と相談を重ねて、魅力的なインテリアが固まったら、あとは工事が無事終わることを祈りたいところですが、実際はオーナーにもやることがあります。工事の進行状況のチェックです。工事が始まったら、本当にイメージどおりの整骨院・接骨院になるのかどうかチェックしなければなりません。もしかしたら、業者が図面とは異なる作業を進めている可能性もあります。
もちろん、過度に心配して、業者からしてみれば「言いがかり」ととられてしまうことは避けなければなりません。しかし、工事の初期であれば、どうしても気に入らない部分があれば、修正できる場合があります。インテリアの工事は、進行してからでは修正がきかないことが多いので、どうしても気に入らない箇所がある場合は、早めに内装工事業者に伝えます。もちろん、追加で費用がかかることがあるので、その点については覚悟しておきましょう。
整骨院・接骨院のインテリア工事が終わったら
インテリアの工事が終わったら、必ず最終チェックを自ら行いましょう。クロスのはがれや塗装ムラなど、雑に作業した痕跡が残っていないか、しっかりチェックしましょう。通常、このようなエラーの修正に追加費用はかかりません。
まとめ
整骨院・接骨院を開業する際、インテリアデザインが重要であることをご紹介してきました。整骨院・接骨院のための物件は、地域の保健所により要件が異なるため、物件を探し始める前に、必ず要件を確認しておきましょう。また、インテリアはコンセプトなしにデザインすることは不可能なので、物件探しの前にコンセプトを固めておくことがとても大切です。